アルバックテクノの描く未来
世界一の真空総合スペシャリストカンパニー
を目指す
アルバックテクノの構想とは?
アルバックテクノは、1979年(昭和54年)に真空総合メーカーであるアルバック(当時・日本真空技術株式会社)のカスタマーサポート部門から独立し設立されました。
アルバックテクノは、おもにアルバックの製造した真空装置や真空機器のカスタマーサポートを一貫して行っているだけでなく、グループ会社のなかでも非常に重要な役割を担っています。
そのアルバックテクノの重要な役割とは何か?そして、未来に向けてどのようなビジョンを持っているのか?代表取締役社長の島田鉄也のコメントとともにご紹介します。
アルバックテクノの成長が、
グループ全体を押し上げる力になる
アルバックテクノは、アルバックグループにおいて売上は常にトップの成果を出し、グループ全体を引っ張っていく存在であるべき、と考えています。
アルバックテクノは、アルバックグループ各社のなかでも「筆頭」のポジションにいなくてはならない、そういう強い会社になるべきだと考えています。
アルバックが納品した真空装置や真空機器のカスタマーサポートやメンテナンスを行うアルバックテクノは、お客さまとの「コミュニケーションの要」を担い、長年に渡るお付き合いをしています。
たとえば、アルバック製品の性能が競合他社と同等の場合、アルバックテクノがいるからアルバック製品を選ぶ、というお客さまも多いです。
サポートを通じてお客さまとのつながりを大切にするアルバックテクノ。充実したサービスが大きな信頼関係を生み、アルバックのブランド価値が向上する。これがアルバックテクノがグループを牽引していくという大きな理由です。
さまざまな声の蓄積がアルバックテクノの強みになり、お客さまのビジネスを成功させる
現在、国内で稼働する5,000台以上の真空装置に対して、アルバックテクノは保守サービスを行っています。
そこにはものすごい量の情報や声があるんです。装置に対する評価や不満など、ダイレクトなお客さまの声の積み重ねがある。その蓄積が"アルバックテクノの強み"です。
アルバック製品を購入いただいたお客さまとアルバックテクノは10年、20年と長いお付き合いになります。
お客さまの生産ラインの稼働にタイムリーに対応していくアルバックテクノは、サポートを通じて常にお客さまに寄り添い、その声に耳を傾ける。
このお客さまの声をフィードバックとしてアルバック本社の研究開発チームに届けることができるのです。
この声をアルバックの未来に活用してもらう。アルバックテクノは単なるアフターサービスだけではなく、アルバックグループのマーケティング部門であり、リサーチ部門も担っているということです。
常にお客さまに寄り添うことがアルバックテクノの強みであると同時にアルバックの優位性となり、そのことが、お客さまに提供する価値を向上させることにつながると考えています。
アルバックテクノが目指すもの、そのひとつがカスタマーサクセス。お客さまのビジネスを成功させることだといえます。
カスタマーサクセス(Customer Success)とは、商品やサービスを購入した顧客へ能動的に関わり続け「顧客の成功体験」を実現させる取り組みのことを指します。
お客さまの求めるものと、アルバックが提供する機能、これらをすべて把握しているのがアルバックテクノです。そのノウハウをいかすことで適切なソリューションを提供でき、その結果、お客さまのビジネスを成功させるための力になる。私たちにはそのポテンシャルが備わっていると思います。
お客さまに寄り添うということは、お客さまの目線、そしてアルバック製品の課題を「自分ごと」として受け止め、お客さまのビジネスそのものを成長させるためにさまざまな取り組みを重ねていく。
その結果、アルバックテクノは真空装置やコンポーネントのメンテナンスだけに限らず、中古装置・機器の売買、表面処理や再生洗浄(精密洗浄)、改善・改良提案(CIP)、真空装置の設計・制作など幅広いサービスを展開しています。
カスタマーサクセスのため、お客さまのビジネスを成功させるために。
これからも、アルバックテクノは真空技術のスペシャリストとして、幅広い事業展開を行っていきます。
グローバルに展開する「アルバックという文化」
アルバックはグローバルに展開する世界で唯一の真空総合メーカーです。
アルバックテクノは、アルバック製品のカスタマーサポートのグローバル展開を推進するために、とくに大きな市場であるアメリカと中国に対してチームを派遣していきます。
国がちがえば文化もちがう。そこは日本企業が抱える大きな課題でしょうね。
日本の企業文化と海外の企業文化は大きく異なります。それは海外に進出する日本企業にとって大きな障壁となっています。
国内においてアルバックテクノはその分野に真摯に向き合い、お客さまに寄り添うことでアルバックグループの価値向上に貢献し、実績を伸ばしてきました。
とくに海外の真空装置のメーカーにとって、カスタマーサポートは「付属品のような扱い」とされているのが現状のようです。
海外に向けて「むしろ、こっちが主役だ!」という姿を見せていきます。私たちが築き上げたのは「アルバックという文化」です。だからグローバルにおいても「アルバックという文化」に近づけていく。そのためにはアルバックが強くなければならないし、そのベースを支えるのはアルバックテクノなんだと。そういった文化を世界に伝えていきたい。
日本国内で多くのお客さまに寄り添うことで成果をあげてきたアルバックテクノのカスタマーサポートは、海外でも大きな需要があると考えています。
単なる「付加価値」では終わらないカスタマーサポートへ。グローバルにおいても、国内と同様にカスタマーサポートを充実させ、お客さまに寄り添い、さまざまな声に耳を傾け、世界におけるアルバックの存在感をさらに高め、価値向上を目指していきます。
お客さまのやりたいことを、こぼさず受け止めたい
グローバルだけでなく、日本国内の事業もさらに強化することを考えています。
すでに実績をあげている国内においても、さらに需要を発掘していきたい。
アルバックテクノは、お客さまの生産現場に入ることができます。アルバックの真空装置の図面をすべて保有しています。そういった知見から、お客さまに対して提案型のカスタマーサービスをさらに向上させることができると考えています。
お客さまのビジネスのためであれば、アルバックの製品だけにこだわる必要はない。足りないものを他社からもってきて、うまくコラボレーションすることで装置をより強化する、装置の前後の付帯設備を強化する、これによってお客さまの生産力を向上させる。これはひとつのビジネスとしてなりたつと考えています。
アルバックの製品だけにこだわらず、外部の企業の製品もとりいれることで、お客さまの生産力を向上させる提案を積極的に行うことで需要を発掘していく考えです。その結果、大きな利益を生み出すことができると考えています。
お客さまのやりたいことをこぼさず受け止めたい。アルバックの製品がなければ、他社の製品も導入するという貪欲さを持つことで、いままで以上にアルバックテクノの価値が向上するはずです。トータルとしてアルバックの受注も増える、テクノの受注も増える。お客さまにとっても、アルバックテクノに頼むことで圧倒的に楽になるでしょう。
他社とのコラボレーションを推進することで、アルバックの製品の評価も高まり、アルバックテクノの事業も拡大し、お客さまのビジネスにも利益が生まれる。
アルバックテクノのビジネスには、まだまだ大きなポテンシャルがある。
一つひとつの提案を丁寧にしっかりと行うことで、大きな成果を出していきたいと考えています。
サステナビリティの観点からも注目される「改善・改良提案(CIP)」とは
アルバックテクノが力を入れていくサービスのひとつに改善・改良提案(CIP)があります。
CIP(Continuous Improvement Program)とは「継続的改善」という意味の言葉です。 改善には中間目標はあっても最終ゴールはなく、継続的に活動(改善)を続けるということが基本的な考え方です。
アルバックテクノでは各分野の真空装置やコンポーネントに対し、生産性向上、装置の延命、電力消費改善などのアップグレードを提案しています。
これまではお客さまからの依頼を受けて行ってきましたが、その改善・改良の事例が蓄積されたことによって、さまざまなお客さまに提案を行うことが可能となりました。
ある拠点で経験したことを、ほかのお客さまにも提案できる。あるお客さまの生産性が20%あがりました、という事例があると、ほかのお客さまに提案できる。これだけでも仕事は増える。そういう事例・情報を持っているんです。
アルバックテクノでは、国内で稼働する真空装置5,000台の事例を持っています。これだけでも大きな価値を生み出せると考えています。
お客さまに「さまざまな選択肢」をお届けしたい。アルバックテクノだったら、新しい装置だけでなく、古い装置をもっと使えるようにできるし、さらに性能を向上させることも可能です。あらゆる選択肢によって、私たちはお客さまの収益のビジョンをつくるお手伝いができると考えています。
また、海外での展開においても、カスタマーサポートの充実に加え、このCIPを戦略の柱として展開していく予定です。
海外の真空装置メーカーはドライです。ビジネスの仕方はまったく異なります。しかし、グローバルではSDGs、ESG経営が浸透して進んでいくと、古くなったものを捨てる、という風潮はなくなっていくと思います。そこに海外でのビジネスが広がると考えています。
時代が変わっても、真空技術はさらに伸び続ける
アルバックテクノでは、アルバック本社の真空装置生産拠点であるクリーンルームの一部のスペースを確保しました。
本社のクリーンルームには、最新の装置が並んでいますが、アルバックテクノのスペースでは、古い装置(レガシー装置)を5台ほど設置しています。
お客さまが実際に使っているレガシー装置を置いて、お客さまの困りごとに対してテストをしているんです。お客さまはレガシー装置を使ってデバイスを生産しています。最新ではなく、この装置がほしいという声がある。だから、わざと古いレガシー装置をクリーンルームに置いているんです。
クリーンルームでテストを行い、評価してうまくいったら、お客さまの装置に適用します。しかし、なぜレガシー装置が必要なのでしょうか。
1980年代に国内では半導体事業が大きく成長しました。そのときにつくられた工場がたくさんあり、そこで、現在も製品をつくっているお客さまがたくさんいらっしゃいます。
スマートフォンやパソコンには最先端のデバイスが搭載されています。しかし最先端のデバイスだけではスマートフォンは動きません。最先端のデバイスのまわりには古いデバイスもたくさん入っています。そういう古いデバイスをつくっている工場が日本にもたくさんあります。
そのお客さまが使っている装置は、10年前、20年前の装置です。いまでも現役で生産し続けています。もちろん最新の装置を持ってくることはできますが、プロセスのマッチングをとるのにかなり手こずるなど、さまざまな理由でレガシー装置を使い続けたいという要望が強い。
古い装置を廃棄し、新しい装置に買い替えるよりも、古い装置を改善・改良しながら使い続けるほうが、お客さまの選択肢が増えることになります。さらにそれはアルバックの装置を使い続けることにもつながります。
たとえば、古いラインを20年、30年と動かし続けている工場も少なくありません。
自動車を動かすコントローラに入っているチップやICカードの中に入っているチップ、常に進化するスマートフォンにも、昔ながらのデバイスが多く使われています。
最先端のデバイスを支えるデバイスは、古く安定したものを使いたいからです。
さらに、こういった電子デバイスは増え続けていくでしょう。
最先端とレガシーは常に両方必要で、さらにこれから両方伸びていくと思います。
さまざまな産業において、最先端の技術はどんどん進化していきますが、真空技術は時代が変わってもさらに伸び続ける分野です。
哲学からあらゆる学問が生まれ、それぞれに発展していったように、真空技術はあらゆる産業にとって、なくてはならないものであり、その担い手であるアルバックテクノの未来は、さらに成長し進化しつづける可能性に満ちているといえるでしょう。
「可能性の場を担う」人財を育むために
アルバックグループでは、アルバックグループが持続的に成長するためには、活性化された組織を土台とし、多様な人財が存分に力を発揮することが必要と考え、経営基盤の強化においても「人材戦略」は非常に重要な取り組みとして位置づけています。
アルバックテクノは非常にフラットな組織づくりを目指しており、一人ひとりが考えて行動し、頑張りを積み重ね、成果につなげていきたいといいます。
「好きなことやれ」って僕はいいます。失敗してもいいし、だめならもとに戻せばいいだけ。そういった雰囲気の会社になるべきだと考えています。
そのために、社内で気兼ねなく気楽に雑談ができる雰囲気をつくり、人との交流のなかでアイデアが生まれていくような場所や機会を設けています。
「おもしろいことやってみようよ」って自由な発想で会話ができるような雰囲気づくりを大事にしたいと思っています。いろんなことを考え、いろいろなことにチャレンジしないと、人は成長しないし、会社も行き詰まる。
島田は、かつてアルバック本社の電子機器事業部を率いていました。そこでもフラットな環境を整え、多様な意見を言い合える組織づくりを行ってきました。
その結果、組織全体は活気にあふれ、従業員たちも活発に語り合い、生産性も高まり、売上やさまざまな「目に見える」成果を達成したという経験を持っています。
ふらふら歩いたり、しゃべったり、笑ったりしないと頭が切り替わらない。じっとしているだけだとクリエイティブな仕事なんてできないと思います。ルールは大事だし守らなくてはならない。でも、改善すべきことがあればルールを変えればいい。そうやって新しい価値を生んでいく。
いまより良くしたい、そのために何ができるか。
ルールに縛られて思考が止まってしまうと、新しい価値は生まれない。
より良くするためであればルールを変えていく。
そんなムードが、いまのアルバックテクノにはあります。
目標と課題
しかしながら、島田は、すべての従業員がフレッシュに、そしてアグレッシブに活動できるようになるために、急いで結果を求めないといいます。全国にある23拠点のCSセンターにおいても、そのスタッフ一人ひとりが自分たちの活動に反映させるには時間がかかると考えています。
それをしっかりと支えながら見つめていかなくてはならない。じっくりと支え続けることが私の役目だと思っています。
現在の取り組みの3年後には成果が見えてくるといいます。
おそらく、ビジネス領域を拡大することによる成果は容易に得られます。しかしそれだけでは継続的な成長は望めないといいます。
さらにその先を、加速度的に上昇させるためには、みんなのマインドがそろってくると、その成長はさらに継続的に向上していく。それが、私たちの描く未来像です。
2024年3月5日収録
島田 鉄也
しまだ てつや
アルバックテクノ株式会社
代表取締役社長
1995年、日本真空技術株式会社(現社名:株式会社アルバック)に入社。2012年より電子機器事業部長に就任、電子機器事業部で行ったさまざまな改革で成果を上げ、2018年より執行役員、アルバック販売株式会社 取締役、株式会社アルバック 常務執行役員 CS事業本部長などを歴任。現在では現職のほか、アルバック販売株式会社 代表取締役社長、タイゴールド株式会社 代表取締役社長、株式会社アルバック 常務執行役員 CS事業本部長を務める。
アルバックテクノとは