ULVAC TECHNO,Ltd. CHEMICAL

 

 

NEDOX®【二ダックス】:特長

高硬度で耐摩耗性・滑り性・かじり防止・非粘着性・耐油性に優れた高機能複合膜表面処理

特長

NEDOX®(ニダックス)は、硬くて滑らかな表面特性があります。また、アメリカ合衆国の政府機関である食品医薬品局(Foodand Drug Administration)に対応したニダックス(FDA)もラインナップしています。アメリカのみではなく、FDA規制に対応した諸外国へも展開可能です。
【FDA対応規格:CFR21.§175.300.§177.1550】
国内の表面処理業界に関して、FDA対応の表面処理は僅かであり、あまり類を見ません。海外進出をご検討や、FDA規制にお困りのお客様はニダックス(FDA)をご検討・お試しください。

適用材質

鉄・ステンレスおよび銅合金に適応可能。熱処理工程で400℃の焼成を行うため、焼戻し温度がニダックス®の熱処理温度(400℃)より低い材質や、アルミ青銅のように高い熱に弱い材質の使用には十分注意してください。アルミ合金は200℃での焼成になります。
NEDOX®(ニダックス)処理時注意材料 熱処理温度・材質確認表

膜厚

NEDOX®(ニダックス)皮膜の厚さは、通常5~20の範囲です。処理膜厚は、使用目的によって決定します。

寸法精度

NEDOX®(ニダックス)皮膜は、エッヂ部に厚く付着することがなく、つきまわり性が良好なため、精密部

品に有効です。

NEDOX®(ニダックス)皮膜のつきまわり性


寸法精度が要求される部品については、図面にて打ち合わせを行った上、±2.5の範囲で微量調整が可能です。

摩擦係数と表面粗度

フッ素樹脂の特性により、膜の表面が滑りやすくなり、静摩擦係数と動摩擦係数の差が少なくなります。したがって、スティックスリップ(始動時の抵抗が動き出した後の抵抗より大きいために生ずるギクシャクした動き)を最小限に抑えられます。NEDOX®(ニダックス)成膜後の面粗度は、処理前の素材面粗度とほぼ同等に仕上がります。処理後も平滑な表面を得る場合は、処理前の素地面の平滑仕上度を高めてから処理します。処理前に母材表面を梨地(GBB処理)にすることにより、よりいっそうすべり性を増すことができます。

硬度と耐摩耗性の関係

NEDOX®(ニダックス)皮膜は、熱処理を行うことによりHv*1750以上の硬度が得られます。この硬い皮膜にフッ素樹脂が複合されることによる、摩擦係数の低さとの相乗効果により優れた耐摩耗性を示します。母材がアルミ合金の場合は熱処理温度の違いにより、Hv600程度の硬度になります。

*1:マイクロビッカース硬度計による測定値。
   10以下の薄膜では表面硬度の測定ができない場合があります。

電気特性

NEDOX®(ニダックス)皮膜は導通性であるため、静電気対策としても有効です。

耐候性と耐油性

NEDOX®(ニダックス)皮膜はベースとなるニッケル・リン皮膜とフッ素樹脂のそれぞれの特性を生かすことにより、優れた耐候性と耐油性を有します。

非粘着性

NEDOX®(ニダックス)皮膜の表面は、フッ素樹脂の効果により他の物質と粘着しにくくなりますが、実際の効果を確認する上でも、事前の試作実験をおすすめします。とくに非粘着性を要求される場合は、NIFGRIP®(ニフグリップ)処理が最適です。

 

高温特性

NEDOX®(ニダックス)皮膜は、220℃の高温においても安定した特性を示します。

マスキング

NEDOX®(ニダックス)処理は原則としてマスキングはできません。ネジ穴・公差部などの特に寸法変化により支障をきたす場合は、寸法変化量を見込んだ前加工をお勧めします。詳細はお問い合わせください。

処理可能寸法

鉄・ステンレス・銅:200(W)×1250(L)×900(H)mm
アルミ:250(W)×500(L)×800(H)mm
万一、上記サイズを超える場合はお問い合わせください。

その他の処理

無電解ニッケル処理については、お問い合わせください。

表面処理カタログ(PDF)

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