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NIFGRIP®【ニフグリップ】:特長

母材との密着力に優れ、離型性・非粘着性・滑り性・耐食性に優れた高機能複合膜表面処理

特長

NIFGRIP®(ニフグリップ)は、離型性に富んだ表面特性があります。

適用材質

鉄・ステンレス・銅合金・アルミ合金に適応可能。ただし、熱処理工程で400℃の焼成を行うため、焼戻し温度がNIFGRIP®(ニフグリップ)の熱処理温度(400℃)より低い材質や、アルミ青銅のように高い熱に弱い材質の使用には十分注意してください。アルミ合金は200℃で焼成になります。このような優れた特長を持つNIFGRIP®(ニフグリップ)処理は、幅広い分野に応用され、多くの製品・部品に使用されています。
NIFGRIP®(ニフグリップ)処理時注意材料 熱処理温度・材質確認表→

膜厚

NIFGRIP®(ニフグリップ)皮膜の標準膜厚は10μです。通常5~15μの範囲です。処理膜厚は、使用目的によって決定します。

寸法精度

NIFGRIP®(ニフグリップ)皮膜はエッヂ部に厚く付着することがなく均一で、つきまわり性が良好なため、寸法精度が求められる部品に対しても有効です。

表面粗度

NIFGRIP®(ニフグリップ)成膜後の面粗度は、処理前の素材面粗度とほぼ同等に仕上がります。処理後も平滑な表面を得る場合は、処理前の素地面の平滑仕上度を高めてから処理します。

非粘着性と離型性

NIFGRIP®(ニフグリップ)皮膜は、フッ素樹脂コーティングに匹敵する非粘着性と離型性を示します。この特性を金型に応用した場合、離型剤を廃止することも可能です。離型剤を使用した場合は、フッ素樹脂との相乗効果により、少量でも離型効果が持続します。

摩擦係数と滑り性

フッ素樹脂は固体の中で最も低い摩擦係数を示します。皮膜中に含有するフッ素樹脂の容積比が高いほど優れた滑り性を発揮します。処理前に母材表面を梨地(GBB処理)にすることにより、よりいっそうすべり性が向上します。


硬度と耐摩耗性

NIFGRIP®(ニフグリップ)皮膜の表面硬度は、焼成をした状態でHv300程度の硬度になります。特に硬度と耐摩耗性を要求される場合は、NEDOX®(ニダックス)処理が最適です。

*1:マイクロビッカース硬度計による測定値。仕様によっては表面硬度の測定ができない場合があります。

耐食性

何層にもフッ素樹脂粒子が重なっているNIFGRIP®(ニフグリップ)皮膜は、優れた耐食性を示します。当社調べでは塩水噴霧テストの結果、100Hrでも発錆を認めません。


電気特性

NIFGRIP®(ニフグリップ)皮膜は導通性であるため、静電気対策としても有効です。

高温特性

NIFGRIP®(ニフグリップ)皮膜は、220℃の高温においても安定した特性を示します。

マスキング

NIFGRIP®(ニフグリップ)処理はマスキングはできません。ネジ穴・公差部などの特に寸法変化により支障をきたす場合は、寸法変化量を見込んだ前加工をが必要です。お問い合わせください。

処理可能寸法

鉄・ステンレス・銅:300(W)×1250(L)×1000(H)mm
アルミ:250(W)×500(L)×800(H)mm

表面処理カタログ(PDF)

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