硬質膜-TiN膜

［硬質膜-TiN膜］

概要
特長

概要

アルバックテクノのTiN膜は、お客様の様々なニーズにお応えするロングセラー被膜としてご利用いただいております。
母材との密着性（40Ｎ以上）が非常に高く、～Hv2,000と硬く耐磨耗性、耐スクラッチ性に優れています。

特にプラスチック製品成形時に発生する塩素系ガスに対しして優れた耐食性を示します。
また、摩擦係数が低くプラスチック等との離型効果により金型の長寿命化が得られます。
濡れ角が低いので表面のクリーニングが容易にできるのも特長のひとつです。

処理プロセス	HCD法	AIP法
膜厚	0.5～5μｍ	0.5～20μm
硬度	Hv～2,000	Hv～2,000
密着性	40N以上	60N以上
耐熱温度	350℃	350℃
処理温度	150～500℃	50～500℃
表面粗さ	下地の表面粗さに準じる	HCD法に比べ粗い

特長

1:硬く（～ Hv2,000）耐摩耗性、耐スクラッチ性に優れている
2:母材との密着強度（40N 以上）の高い被膜
3:プラスチック製品成形時に発生する塩素系ガスに対し優れた耐食性を示す
4:摩擦係数が低くプラスチック等との離型効果から金型の長寿命化が得られる
5:濡れ角が低いので表面のクリーニングが容易

TiN応用例

HCD 法でDVD/CD成形金型へTiN被膜形成

1:面粗さ100ｎｍ以下の被膜形成が可能
2:製品精度を要する母材への影響が少ない
3:耐スクラッチ性・樹脂離型性に優れ母材に対し長寿命が得られる

HCD法・TiNAIP法でCrN被膜をスクリュー部品へ被膜形成

1:ガラス繊維などでの磨耗防止効果が得られる
2:雰囲気ｶﾞｽからの防食効果が得られる
3:樹脂の凝着が非常に少なく、機器部品のメンテナンスが容易になる

TiN処理した樹脂成型金型の寿命比較

・NAK55材へHCD法にてTiN（2.5μm）処理
・雰囲気は温間成型
・耐磨耗性／樹脂の離型性向上が起因することで寿命を伸ばすことができる

TiN処理によるXHVの作製

資料御提供:独立行政法人産業技術総合研究所殿

主な応用分野と使用目的

応用分野	使用目的	応用例
切削工具	耐摩耗・耐凝着	歯切工具・金属カッター・プラスチックカッター・食品カッター
金型	耐摩耗・耐食	ディスク金型・樹脂成形金型・レンズ金型
精密機器部品	耐摩耗	精密機器部品・光学機器部品
自動車・二輪車	耐摩耗	自動車部品・ピストンリング・マフラー
医療機具	耐摩耗・光反射防止	手術器具・デンタル器具
真空機器	耐摩耗・放出ガス防止	真空容器・真空機器部品
装飾関係	耐傷性・装飾	カメラ部品・携帯電話部品・時計部品・釣具部品