油回転真空ポンプのオイル劣化について考えられる主な原因は何ですか？

①オイルへの水分混入による劣化
水蒸気が多い気体を排気すると、オイル中に大量の水分が混入します。水蒸気や有機溶剤揮発性が高い液体を多く含む気体を排気する際には、ガスバラストストバルブを開いて排気する必要があります。しばらくポンプ単体で運転し、ポンプの温度が上がりオイル中の水分等が減ればオイルを交換せずにそのまま継続使用できる可能がありますが、排気性能が復活しない場合は、オイルを交換する必要があります。

②異物混入による劣化
有機物等の異物が多い空間の気体を排気すると、ポンプ内に異物が溜まります。異物から放出ガスが発生し、オイル自体が劣化するため、ポンプケース内をクリーニングしてオイル交換を行う必要があります。

③酸化による劣化
ポンプを高温下で長時間使用したり、長期間ポンプを稼働させずに放置させたりすると、オイルが酸化劣化することがあります。オイルの色相を確認し、必要に応じてオイル交換を行う必要があります。

④プロセスで使用されるガスの影響による劣化
CVD装置やエッチング装置で使用しているポンプは、プロセスで使われているガスの影響で、オイルの劣化が早くなります。また、ポンプ内部にプロセスガスによる生成物も溜まりやすく、ベアリング等の劣化も早くなります。定期的なオイル交換及びオーバーホールの実施が必要です。